月知梅の梅は、臥龍梅(がりょうばい)という梅の種類で、今から約200年前までは一株のものでしたが、その後、枝が伏して根を張り、四方に繁殖したと言われています。毎年、2月の中旬頃が満開で、この時期になると白色八重の花を付け、多くの人々の心を和(なご)ませてくれます。
月知梅は、もともと香積寺(こうじゃくじ)の庭に植えてあった梅で、「香積の梅」と言われました。香積寺とは、1600年、高岡に創建された龍福寺の末寺で、龍福寺二世 明庵和尚の開山です。香積寺が創建される前は、ここにお堂があり、梅もその頃植えられたようです。
現在、園内に「金宝花心大姉 天正12年甲申7月11日」と刻まれた五輪塔があります。この五輪塔は、香積寺が創建される前に建てられており、誰のものであるかはわかりません。しかし、相当身分の高い人のものと推測され、梅の大樹もあったことから、ここに香積寺が建てられたものと思われます。この寺は山号を「梅樹山」、寺号を「香積寺」と称して開山され、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)によって廃寺となりました。
月知梅は、延宝元年(1673年)第19代藩主、島津光久(みつひさ)が来観したときに「月知梅」と命名したもので、数多くの藩主や知名士が梅を見に香積寺を訪れています。(看板より)
月知梅は、昭和10年12月24日に国指定天然記念物として指定される(宮崎市高岡町)。